熱中症の症状は、程度によって大きく3段階に分類されています。
・分類Ⅰ「熱失神・熱けいれん」は、立ちくらみやめまい、硬直、失神、筋肉のけいれんが起きる状態です。
・分類Ⅱ「熱疲労」では、脱水症状に伴う頭痛や吐き気、全身のだるさなどが現われます。
・分類Ⅲ「熱射病」になると、呼びかけに反応しないなどの意識障害や、ひきつけなどの重篤な症状を呈します。
最も重症な熱射病になると、体温が40℃を超え、高熱が脳機能にも障害を及ぼす可能性が高まるので、非常に危険な状態であることは明らかに分かるでしょう。
しかし熱中症の怖さは、前ぶれとなる初期段階の症状に気づきにくく、自覚した時点では症状がかなり進行しているケースが少なくないことにもあります。
たとえば、最近よく話題になる「かくれ脱水」は、熱中症を気づかないうちに進行させる引き金になるものです。
水分を補給せずにいることで体内の水分が減少すると、血行が悪くなり、その結果として手足が冷たくなったり、口の中が乾いて唾液が出にくくなります。
こうしたときに、腕の皮膚をつねってみて元の状態に戻るのに3秒以上かかったり、爪を上から押してみて2秒以上白いままであったら、脱水が進んでいるサインなので、すみやかな水分補給が大切です。
皆さんも早めに気づいて対処しておきましょう。