休み明けの体調不良を解消するには、まず原因を突き止めなければなりません。
ここでは休み明けに襲ってくる体調不良の原因を解説します。
<体内時計の乱れ>
平日は仕事や家事の関係で、朝早くに起床するといった生活パターンになっている方は多いです。
このような方たちは「せめて休日ぐらいはゆっくり寝よう」ということで、週末の朝寝坊をしやすいです。
睡眠の専門家の多くはこの週末の朝寝坊こそが、休み明けの体調不良を招く原因だといいます。
私たち人間の体には約24時間周期の体内時計が備わっており睡眠、覚醒、ホルモン分泌などさまざまな働きを調整しています。
平日は規則正しい早寝早起きをしているため、体内時計は常に正常な状態を保っています。
ところが休日の夜ふかし、朝寝坊などによって起床時間や就寝時間にズレが発生すると、これをきっかけにして、体内時計が乱れ、時差ボケのような状態を招くことになります。
このような時差ボケは「社会的時差ボケ」ともいわれており、近年睡眠研究者の間でも注目されています。
社会的時差ボケによって招く主な症状は「眠気」「食欲不振」「集中力低下」などです。
これらの症状は先ほど取り上げた休み明けに見られる主な症状とぴたりと一致しています。
このことから休み明けの体調不良の主な原因は休日や週末の夜ふかし、朝寝坊が大きく関係しているといってもよいでしょう。
社会的時差ボケを引き起こす典型的な例が夜勤などの交代勤務です。
交代勤務者は睡眠障害、肥満、高血圧、糖尿病、うつ病などのリスクも高まることがわかっています。
<食生活の乱れ>
週末や休日になると食生活にも変化が現れることがあります。
具体的には家族で外食をしたり、友人や知人とお酒を飲みに行くなどが挙げられます。
このような休日ならではの食事やお酒はとても楽しいため、ついつい食べすぎや飲みすぎを起こしてしまいます。
食べすぎや飲みすぎによって招く弊害は胃の機能低下です。
胃の機能低下が起きると、食事などで摂取した食べ物がなかなか消化しきれなくなるため、長時間に渡って胃もたれやお腹がつっぱる感じ(膨満感)が続くことになります。
ストレス
アウトドア派の方はもちろんのこと、インドア派の人も平日と休日では1日の過ごし方も異なることが多いでしょう。
具体的には休日はレジャーを楽しむ、食事を楽しむ、寝るのを楽しむなどが挙げられます。
このような行動は平日の生活では絶対にできない、いわば「非日常的な生活」といえます。
非日常的な生活を送ることで、平日に蓄積されたストレスも発散できるため、一見すると休み明けは万全な状態になると思われがちです。
ところが休み明け前日の夕方から夜になると「明日からまた仕事か…」「また朝早い生活を送るのか…」「今日はもう早めに寝ないと…」といった憂鬱な感情が強くなります。
この「元の生活に戻らなければならない」というストレスから、体調不良を訴える方も出てきます。
「ストレスは万病のもと」という言葉があるように、人は大きなストレスを受けると不安感、気分が落ち込む、集中力の低下、疲れやすいなどさまざまな症状を引き起こすことがわかっています。
日曜日の夜や月曜日の朝に非常に憂鬱な気分に陥る「ブルーマンデー症候群(サザエさん症候群)」も同じような環境から起きるものです。
休日の非日常的な生活をした後に、現実社会(平日)へ気持ちを切り替えるのは、それぐらい体力や精神力を使うということです。