<(1)エアコンとの付き合い方>
冷房病や冷え性は、エアコンの使い方もふくめて、服装や食事、運動など、毎日の生活習慣と深いかかわりがあります。
エアコンの標準的な設定温度は、25~28℃が良いとされています。
ただ体感温度は人によって違うので、「寒い」と感じない温度が基本となります。
外気温との差が大きいと、外出時の体へのストレスも強くなります。
よく出入りする場合には、エアコンの設定温度は「外気温マイナス3~4℃」をひとつの目安にしてください。
帰宅直後やお風呂あがりには、エアコンの前にいたくなりますが、汗をかいた状態だと体を冷やし、体調をくずす原因ともなります。
最近のエアコンは除湿(ドライ)機能がよくなっています。
個人差はありますが、外気温が30℃程度なら除湿だけでもかなり快適になります。
できるだけ冷房機能を使わず、除湿で済ます工夫も必要です。
<(2)腹巻などで自衛する>
オフィスなど、エアコンの温度や風向きを勝手に設定できない場所もあります。
そうした場所では、自分なりの自衛策が必要です。
女性の場合、冷え性対策に膝掛けや薄手の腹巻、保温性の高いハイソックス、レッグウォーマーなど、いろいろなグッズがあります。
男性も、便利なものは積極的に利用しましょう。
とくに腹巻は、効果的です。
冷えから胃や腸の障害を起こす人が多いことと、腹部を温めると全身の温度も上昇しやすいからです。
腹巻は腰の冷えも防ぐので、腰痛の予防にもなります。
エアコンの冷気がたまりやすい足元にも工夫が必要です。
厚手の靴下やハイソックスを利用したり、冷えが強い場合はズボンの下にレッグウォーマーをつける方法もあります。
また映画館や劇場なども冷えやすいので、そうした場所へは使い切りカイロをもっていくと便利です。
<(3)食事は体を冷やさないものを>
冷房病や冷え性を予防するには、「体の芯(中心部)を冷やさないこと」が大切です。
その意味で食べ物や飲み物は、重要な意味をもっています。
体を温める食べ物を「温性食物」といいますが、その代表がショウガ、ネギ、ニンニク、タマネギ、カボチャ、チーズなどです。
トウガラシやコショウなどの香辛料にも、同じ効果があります。
食欲があまりない場合、冷たいものを食べると胃腸を冷やし、かえって体調をくずしかねません。
また、食事を抜くとカロリー不足から体が冷えやすくなり、さらにビタミン不足からだるさや疲れが助長されてしまいます。
温性食物の入った温かい食べ物を、少量でもいいのでとるようにしましょう。
<(4)運動や入浴で血流の改善を>
冷えをもっとも感じやすいのは足先です。
エアコンの冷気が床近くにたまることと、足先は心臓から遠いため血液の流れが悪くなりやすいからです。
日頃からよく歩くことも大切です。
ウォーキングをしていると、足の筋肉が適度に強化されて血流がよくなるので、足先も冷えにくくなります。
入浴も、冷房病や冷え性の予防に効果があります。
夏はついシャワーだけで済ませたくなりますが、お湯につかると足が温まるだけでなく、水圧によって血流もよくなります。
お湯のなかで、ふくらはぎを軽くマッサージすると、効果が一層高まります。
また、ストレスがたまると自律神経の働きが低下して、冷房病や冷え性を起こしやすくなります。ストレスをためないことが大切ですが、適度の運動や入浴にはリフレッシュ効果があり、ストレス解消にも向いています。