暑さの厳しい夏を乗り越えて秋の気配が迫ってくると、やっと涼しくなるとほっとする方も多いのではないでしょうか。
実は、夏の終わりから秋にかけてはぎっくり腰や寝違え、重い首肩こりなどに陥りやすいので注意が必要なのです。
<夏の終わりから秋にかけての不調の原因は?>
日本の夏は夜でもじっとりとした暑さが残り、夜になかなか寝付けなかったり、眠りが浅かったりと睡眠がいつもよりも取れないことがあります。
最近では冷房を付けっ放しにして眠ることが普通になってきましたが、今度は冷え過ぎてしまったりと真夏に快適に眠るのはなかなか難しいことがありますよね。
そんな睡眠不足の夜が続くことや日中の暑さによって夏の疲れが蓄積された体は徐々に強張りやすくなってしまいます。
また、夏のあいだは暑さにより自然と飲み物を欲したり、汗をかきやすくなることで喉の乾きがわかりやすかったのですが、暑さが落ち着いてくる時期からは乾きに気づかずに水分補給の頻度が減ることが多く、水分不足に陥りやすいです。
本来であれば、秋冬の乾燥の季節は1年のうちで最も水分を必要とする時期であるため、多くの人は水分が不足した状態にあります。
この水分不足もまた、不調の原因になり得るのです。
なぜなら、水分が不足することにより、筋肉は固くなるからです。
<水分不足が筋肉を固くするとは?>
私たちの体の約60~70%は水でできています。
そのため、私たちの体を形成する、筋肉や血液、皮膚や骨や細胞などは全て水と関係しているのです。
体の水分が不足すると同時に細胞の水分も不足します。
すると血液はドロドロになり、皮膚や筋肉の組織が固くなるのです。
よく、ぎっくり腰というと重い物を持ったときや不自然な体勢を取った時に腰に衝撃が走るようなイメージがありますが、重い物や不自然な姿勢はあくまできっかけにすぎず、それまでにかかっていた体への負担が問題です。
医学的にはぎっくり腰という疾患はなく、腰の筋肉にギリギリまで負担がかかっていて、もう耐えられないところで「ギク」っと衝撃が走ってしまった状態を通称ぎっくり腰と呼んでいます。
このように負担がかかり筋肉が固まってしまったことによりぎっくり腰に陥りますが、固まっていた筋肉の部位が腰回りだったために結果的に陥ってしまうのがぎっくり腰で、首まわりの筋肉が固くなれば首こりや寝違えとなり、これは謂わばぎっくり首といってもいいのです。
肩の筋肉が固くなれば肩こりになり、足の場合はふくらはぎや足先がつりやすくなります。
このように、筋肉が固くなる部位により、どこにでも痛みは起きやすいため、水分不足に陥りやすい時期に様々な痛みを伴う不調が出やすくなることは想像できることでしょう。