<低体温の原因は?>
9割は筋肉量の低下と考えられます。
50年前と今では日本人の体温の平均は0.7度近く下がっています。
その理由の1つとして、現在のライフスタイルが、明らかな運動不足になっていることが挙げられます。
家事ひとつをとっても、50年前はすべて手作業で掃除、洗濯、料理などを行い、その上で畑仕事をするなど、日常的な運動量が大変多かったのです。
それに比べ、現代の生活では、乗り物や家電の充実によって日常生活における運動量は低下しています。
<運動量の低下にともなって、筋肉量が減少!>
筋肉は人体最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、基礎代謝も下がります。
基礎代謝とはじっとしているときでも体内でエネルギーを消費していること。
基礎代謝が落ちれば、エネルギーが消費されにくくなって、内臓脂肪が増加してしまうのです。
この内臓脂肪組織から、20種類以上の悪玉ホルモン(アディポサイトカイン)が分泌されていることがわかっています。
これらが血管に炎症をもたらすことにより血栓を作りやすくなったり、インスリンの働きを弱めてしまうことにより、がんや高血圧、糖尿病の元凶となることが解明されています。
加齢とともに基礎代謝は落ちていきますから、筋肉量を増やすことはあらゆる病気対策に必要なのです。
筋肉量の減少以外では、運動不足に加えて、エアコン生活によって汗をかきにくい環境であることも低体温の原因と考えられています。
脳の視床下部にある体温中枢を刺激する機会が失われると、体温を調整するための発汗中枢が作動しなくなり、低体温になります。
また、人間関係や経済面の問題、家族問題など、生きていく上で生じるストレスは50年前より複雑化しています。
ストレスによって分泌するホルモンは、筋肉を分解することによってストレスを緩和するために、ストレスが強いと筋肉をやせさせてしまい、その結果、低体温を招くということもあります。
何といっても筋肉量の低下が低体温の最大の原因ですから、今日からでも筋肉量を増やす生活を習慣にしてください。