体内時計を正常に動かし、健やかな体を保つためには規則正しい生活が欠かせません。
「食事」「睡眠」「運動」という3大要素はどれも重要で、どれか1つでOKというわけにはいきません。
それぞれ、生体リズムに合った最適なタイミングやポイントがあります。
【朝】
☆毎日決まった時間に起きる
→体内時計のずれをリセットできるのは朝だけ。前夜の就床時間が遅くなっても、起きる時間はできるだけ一定に。
☆6~7時に起き、起床後1時間以内に朝食をとる
→5時前後から血糖を上げるホルモン(コルチゾールやカテコラミン)が上昇。
6~7時に起き、1時間以内に朝食をとることで血糖を下げるホルモン(インスリン)の効率が高まり、少ないインスリン量で自律神経のバランスが整いやすくなる。
体内時計も活性化し、運動効率もアップする。
☆朝食には糖質とたんぱく質をセットでとる
→糖質をとると血中のインスリンが増え、そのシグナルによって時計遺伝子が動き、体内時計が調節される。さらに、併せてたんぱく質をとるとインスリン様成長因子が分泌され、体内時計の針の調整につながる。
☆朝食後~昼食前に軽い散歩をする
→ハードな運動は夕方のほうが適しているが、このタイミングで軽くウオーキングなどをすると血液中のブドウ糖がインスリンの作用で内臓や筋肉に取り込まれ、代謝が促進される。
ダイエット中の人、高血糖が気になる人などに特にお勧め。
【昼】
☆12時前後にランチをとる
→「BMAL1(ビーマルワン)」という、食べ物を脂肪に置き換える時計遺伝子の働きが最も鈍くなる時間帯なので、肥満予防に効果的。
☆仕事中は90分ごとに休憩をとる
→24時間周期のサーカディアンリズムを16区分した90分周期で人間は活動している。
作業効率や認知・行動機能が活性化する周期も約90分。
定期的にきちんと休憩をとることでより仕事の効率がアップする可能性大。
【夕方~夜】
☆15~19時に有酸素運動や筋トレをする
→この時間帯が最も肺と心臓の働きが活発で、筋肉の柔軟性も高い傾向にあるため、ほとんどのスポーツにおいてベストタイミング。
安全かつ効率的に体を鍛える効果が期待できる。
☆夕食は18~19時にとる
→味覚が1日の中でも最も敏感で、消化も促進されやすいのがこの時間帯。
夕方に運動する場合は、消化の良いおにぎりなどの軽食をとっておき、運動後に夕食を。
☆.アルコールを飲むなら20~21時に
→アルコールに対する抵抗力が最も高くなる時間帯。
ただし健康のためにはアルコールはなるべく控えめにすることが大切。
☆就床時間は日によってバラつきがあってもOK
→体内時計の調節のためには、寝る時間よりも起きる時間のほうが重要。
ただし、体内時計はもともと朝日を浴びてから約15時間以上経つと自然と眠くなるようにセットされているもの。
できるだけ夜更かしは避け、早寝早起きの習慣を。
また、質の良い睡眠を得るためには、就寝1時間前くらいまでに入浴して体の深部体温を上げ、体温が下がってきたタイミングで眠りに就くのが効果的。
規則正しく生活したいと思っていても、仕事や家事などさまざまな状況によって実行できないことも多いもの。そうした場合には、1週間のうち1~2日だけでも上記のようなタイミングを参考にして、食事、睡眠、運動のリズムを整えましょう。毎週同じ曜日に行うと、体内時計のずれをリセットしやすくなります。