腱鞘炎(けんしょうえん)は手の使い過ぎにより指や手首の関節に痛みが生じる疾患です。
手の腱のうち、指を曲げる方向に働くのが屈筋腱、伸ばす方向に働くのが伸筋腱です。
腱は腱鞘というトンネルの中を滑走します。
手を使い過ぎると、腱と腱鞘の間で摩擦が起こり、腫れます。
安静にして手を使わなければ腫れはひきますが、使い続けると腫れがひかず、痛みを伴います。
また、腱がひっかかって、縮んだばねのように指が開かなくなる現象が起きます。
そのため、「ばね指」とも呼ばれます。
<腱鞘炎の症状>
手のひら側に痛みが生じるのは、多くはばね指です。
グーの形にして(こぶしを握って)手を開いたときに、かっくんと遅れて伸びるような状態になります。
病状が進行すれば、指の付け根に痛みを伴います。
どの指にもなりますが、親指が最も多く、中指や薬指がそれに続きます。
重症になると、自力では伸ばすことができなくなります。
指を伸ばす側の腱鞘炎もあります。
頻度が多いのは、親指の付け根に生じるドケルバン病というものです。
親指を他の指で握った状態で、小指側に手首を曲げると、痛みが出ます。
この場合は、親指を伸ばしたり開いたりする動作が障害されます。
痛みが生じた場合は早めの対処をお願いします。