1. 首・肩部症状
頸椎後方にある椎間関節の動きが低下したり変形が生じたりすると、頸の後方部から背中、時には胸の前の方に痛みや凝り、だるさ、違和感等々が生じます。
リハビリテーションが治療の中心となってきます。
→頸椎牽引、手技療法、温熱療法、電気療法、針治療、ストレッチ体操、筋力アップ、マッサージ等々を適宜組み合わせていきます。
2. 腕、手症状
肩から手先までの上肢の症状は神経根症状によるものです。
頸部から肩~上腕に痛みがあり、頸を後に倒すと頸や腕に激痛が走ることもあります。
7つある頸椎の4番目以下の神経根が障害されると腕や手の痛みやしびれ、むくみ、握力低下、背部痛等が起こってきます。
レントゲンやMRIできちんとした診断を受ける必要があります。
リハビリを繰り返すことが大切ですが、痛みの中程度の場合には星状神経ブロックという頸の前方から注射を繰り返すことで、痛みは徐々に楽になってきます。
3. 頭部、顔面症状
3番目以上の神経根が障害されると、頸の後~後頭部~側頭部の痛みが起こり、さらに眼精疲労が生じやすく、目の奧が痛くなったり、充血しやすくなります。
凝りや痛みが強くなると吐き気をもよおしたり、気分が悪くなったりします。
リハビリの他、後頭部・頸部神経ブロック注射が有効となります。
また頭へ行く血管が骨の変形で圧迫されたり、動脈硬化が加味されますと、血管内腔が狭くなり椎骨動脈不全症となってきます。
めまい、頭のふらつき、吐き気、耳鳴り等が頸椎の変化によって生じてくることになります。
ひどい場合には脳梗塞像がMRI で認められることもあります。
リハビリ、星状神経ブロック、血管拡張剤等で治療していきます。
4. 下半身症状
頸部脊髄が圧迫を受けると下半身及び上半身に神経障害が発生してきます。
脊髄症を起こす圧迫の原因は、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症等々であり、正確な診断はMRIやCT等によります。
脚のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁、手のしびれ、筋力低下、筋萎縮、手足の痛み等複雑な症状が発生し日常生活に支障をきたすようになってきます。
リハビリで体のバランスをつくり、基礎体力を向上させる必要があります。
日常生活に支障がある場合には手術をすることもあり得ます。
高度な技術を要しますので、熟練した整形外科医を選ぶ必要があります。
以上、頸椎によって起こってくる疾患は様々であり、軽度は肩凝りから重度は身の回り動作が不自由となるまで多岐にわたります。
<頚椎椎間板ヘルニアを治すには>
頚椎椎間板ヘルニアは、首周りに痛みを抱える病気です。
そのため、対策として、首や肩に負担をかけるような動作や作業を控えるのがベストでしょう。
また、首こりや肩こり改善のためのセルフケアも有効。
マッサージやストレッチなどで痛みやしびれを緩和する効果が見込まれます。
セルフケアをやってみて痛みが引かない場合、鎮痛剤やリハビリ、手術などの治療法もありますので、医師と相談のうえ、適切な治療方法を選択しましょう。