<高齢者が骨折しやすい理由3つ>
1,骨粗しょう症で骨そのものの強度が落ちる
2,筋力低下に伴い転倒しやすい
3,栄養不足で皮下脂肪が菲薄化する

また、あまり知られていませんが、高齢者に多い糖尿病や腎機能障害のある方も、骨粗しょう症が一般の方より急速に進行し骨折しやすいといわれています。
骨を強くするのに役立つ栄養素の1つはビタミンDです。
通常、ビタミンDは腎臓で活性型ビタミンDとなり、腸管からのカルシウムの吸収を促進することで、骨を丈夫にする役割があります。
しかし、腎機能が低下するとビタミンDを活性化できず腸管からのカルシウム吸収が低下します。
血液中のカルシウムが足りなくなると、逆に骨のカルシウムを血液中に溶かし出すようになるため骨粗しょう症が進むのです。
○1.骨粗しょう症で骨そのものの強度が落ちている
骨粗しょう症の有病率は加齢とともに上昇し、80歳代の女性では約5割が骨粗しょう症であると言われています。
日本における骨粗しょう症の有病者数は1300万人。うち女性だけで約1000万人と言われていますが、病院への受診率は低く、治療をうけている方は全体の約20%しかいません。
一度骨折をして病院で手術などの治療を受けたにもかかわらず、骨粗しょう症の治療をしなかった場合、骨折を繰り返すことになります。
○2.筋力低下に伴い転倒しやすい
60歳を過ぎると筋肉量の減少が加速します。特に太ももを持ち上げる腸腰筋(ちょうようきん)の減少は、歩行時の足の動きが鈍くなったり、つまずきやすくなるため転倒の危険性が増加。その結果、骨折となりやすいのです。
○3.栄養不良で皮下脂肪が菲薄化している
加齢により皮膚を形成する表皮、真皮、皮下組織の菲薄化(薄くなる)。そして、皮下脂肪の減少により、転倒時に骨を守るクッション機能が働かなくなり、骨折しやすくなります。