治療方法
炎症症状が強い時はアイシング、そしてストレッチを行います。
鵞足炎は炎症であり、この炎症が痛みを引き起こしています。
痛みが強い時は、痛み止めの投与や消炎鎮痛剤の塗布によって痛みをしずめ、アイシングによって炎症による熱感を取り除きます。
痛みを鎮めた後はストレッチなど次の治療段階に進めるよう準備します。
炎症が静まり、ある程度膝を動かせるようになったらストレッチを行っていきます。
鵞足にくっついている筋肉を伸ばすことで、脚を動かした時に鵞足部にくっついている筋肉とつながっている腱に過度なストレスがかからないように改善します。
硬い筋肉が伸び切ってしまうと、脛骨に付着している腱に剥がれるようなストレスがかかってしまいます。
これが炎症につながるため、ストレッチを行い筋肉の柔軟性を上げ、炎症が起こらないようにしていきます。
<再発を防ぐ為に。>
鵞足炎は再発しやすいことが特徴です。
というのも鵞足炎の主な原因は、お伝えしたとおり動作の繰り返しや膝のオーバーユース(使いすぎ)にあるからです。
特に鵞足炎になりやすい方には、鵞足に負担のかかるフォームや癖があることが多いことがわかっています。
したがって、鵞足炎がある程度回復したからと言ってそのまま競技に復帰すると、一度壊れた鵞足に再度負担が集中し、すぐにまた鵞足炎になるという悪循環に陥ってしまいかねません。
まずは焦らずに鵞足炎をきちんと治すことはもちろんのこと、担当の先生に、いかに再発しないようにフォームや癖を修正するかという点が非常に大事です。
また、使用しているシューズなどがきちんと体に合ったものかどうかを確認することも大切な再発防止策です。
<鵞足炎に有効なストレッチ>
1.大腿後面のストレッチ
太ももの裏側の筋肉を伸ばして柔軟性を獲得し、鵞足炎を予防するストレッチをご紹介します。
①あぐらをかいて床に座ります。
②片脚を伸ばし、もう一方はあぐらのままです。
③この状態で体を前方へ倒し、10~20秒の間、この状態を維持します。
④伸ばした脚の裏側で筋肉が伸びるのを感じることができるでしょう。
これを10回以上繰り返しましょう。
2.太もも内側の筋肉のストレッチ
①1.のストレッチと同様の姿勢になり、今度は伸ばした脚のつま先を内側に倒します。
②そして伸ばした脚の方へ体を倒していきます。
③伸ばした脚の太ももの内側の筋肉が伸びることを感じながら行いましょう。
こちらも10回以上繰り返しましょう。